肥料に関して

初めに

イワヒバの柄は肥料が効くほど発現します。黄葉品種の黄色も同様です。また肥料分が切れると概して葉が粗雑になる傾向があります。うまく肥料を効かせることはイワヒバを楽しむ上で重要な行いとなります。ただし生きが良くて柄のきれいなイワヒバを栽培している方の棚には肥料に弱い金麒麟がありません。同一管理では作れない品種もあります。
★金麒麟は難しいという方がおられますがただ単に肥料に弱いと言うだけでその他何の問題もありません。金麒麟を例に出すことが多いですが肥料に弱いのは金麒麟だけではありません。金麒麟が高価で羨望品種の一つのため枯らすと記憶に強く残るのでしょう。程度の差がありますのでどの品種が弱いかどうかは聞かれても答えられません。自分の失敗から学ばねばならないでしょう。金麒麟だけは私も失敗した経験がありますしやはりイワヒバの王様と思っていますので皆さんに「肥料に弱いですよ」とお教えしています。

根を見る


植え替えの時に根の状態を観察することも勉強になります。剛直に鉢いっぱいに根を張る品種は肥料にも強い傾向があります。根下ろしの悪い柔らかい根の品種は肥料分に弱いと思って間違いありません。植え替えの時根の状態をラベルに書いておけば肥料を与える基準になると思います。「根下ろしが悪い」とか「根が柔らかい」とかです。自分なりにイワヒバの性質を見極めるようにすれば栽培がなお面白味を増します。


葉を垂らす

栄獅子の葉が垂れていないようでしたら肥料分が足りません。やたら垂らす必要がなければ無理をする必要はないと思います。大王獅子もそうですしやや葉を巻く黄金の華なども肥料が足らないと立気味になります。栄獅子の葉が垂れているか立気味かによって肥料の量を考えれば良いわけです。ただし肥料に強い栄獅子と同様に他の品種も均一に肥料を与えるのは禁物です。栄獅子の葉が垂れるのを限度と考えた方が良いでしょう。また葉を垂らすには日照は強日です。

丸くする

金牡丹は肥料分が切れるとだらしないほどの平葉になります。肥料が充分効いた金牡丹は同じ品種とは思えぬほど玉型になります。雲井鶴のような盃型の品種はほとんど金牡丹同様のことが言えます。丹頂もしかりです。葉が垂れる品種は現状の葉が肥料分と日照でその年の内に変化してきますが盃型の品種を丸くするには新たに伸び出す葉ぐりから少しずつ替えていかねばならないようですので3〜4年はかかります。要は日頃の管理培養次第と言うことです。日照はやはり強日で達成出来る話です。金牡丹は普通なら値段の安い品種ですので肥料の限界を体験してみても良いかもしれません。丸くなっている金牡丹は技術料込みでそう安くない場合もあります。あるいはそうあるべきと思います。


最後に
柄も一年で急に出そうと思って肥料を多めに与えれば失敗します。日々の管理で徐々に徐々にです。肥料分は次の年まで蓄積されていることも忘れてはなりません。また濃い肥料を与えておかしくなった株から肥料分を抜くことは出来ません。顔色を見ながら肥培します。柄の状態を見ながら1年肥料を止めることも必要です。柄があまり出過ぎていれば危険信号と考えるべきです。急がば回れを実践して下さい。イワヒバは無肥料でも育ちます。そのような株の方が病気に強いことを付け加えておきます。

肥料の与え方
通常植え替えの時にマグアンプKを元肥に仕込みます。3号鉢なら大粒3〜4粒、5号鉢なら6〜7粒と言ったところが無難です。これだけでも1〜2年は育ちます。植え替えた年には追肥はしない方が安全です。2年目以降肥料切れしてきたら油かすやアイビー化成を乗せます。植え替え出来ずに根がいっぱいになった株には置き肥が特に有効な手段です。ハイポネックス液肥を与える方もありますが、この場合濃度を押さえることが出来るかどうか、またかける株とかけない株をきちんと区別出来るかどうかが問題です。根茎の上がった古株などは根茎部分にも肥料分を効かせたいところなので液肥は有効な手段となります。ただし鉢内に仕込んだ肥料分を考え合わせることを忘れてはなりません。重複して与えすぎないように注意して下さい。肥料に弱いと思われる品種には常に半分を心がけます。

金麒麟の肥料

マグアンプはもちろん半分です。持ち込み状態になっているような株は秋、気温が下がった10月上中旬にアイビー化成を乗せてうまく行っています。4号鉢で3粒。あくまで顔色をうかがって下さい。毎年安直に行うべきでありません。日を浴びて金色に輝いていれば肥料は止めておいた方が良いです。柄がイマイチ出ないようになった株について行うようにした方が良いです。毎年最上の状態で柄性を楽しもうとすることは危険と隣り合わせていると言えます。このことは他の品種も同じです。
(金麒麟のような素晴らしい品種が弱いというふれこみで敬遠されている向きもあります。性質を理解して頂いた上で気軽に楽しんで頂きたいと思います)